いーと部

美味しいものマニアが料理レシピ、グルメ情報などを発信

【京都 瓢亭】 庭園を愛でながら頂く 一子相伝の懐石料理

先日、兼ねてから憧れていた料亭

瓢亭で懐石料理を頂きました。

 

美味しいお料理だけでなく、外観から

しつらえ、おもてなし、、

「日本文化」のすばらしさが詰まっていて

日本人に生まれて幸せと思いました。

 瓢亭 本店 とは?

450年以上の歴史をもつ瓢亭。

14代店主 高橋英一さんから

2015年に息子さんの15代店主 高橋義弘さんが引き継がれ

味を守り続けています。

ミシュランでは12年連続三ツ星を獲得しています。

『瓢亭玉子』や『朝粥』も有名です。

 

松下幸之助や、山縣有朋などの各界の著名人に

愛されていることでも知られています。

 

谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』『細雪』でも登場しています。

 

 

瓢亭『深泉亭』へ

f:id:chi-a-ko:20200905223522j:plain

南禅寺にほど近い小道に瓢亭がありました。

お店の方に案内されてお部屋まで。

f:id:chi-a-ko:20200905223659j:plain

中に通されると迷路のように個室が建っていて
池には鯉が泳いでいます。

アプローチの苔と石畳が素敵で、

瓢亭の世界、異空間に入っていくような気持ちに。

f:id:chi-a-ko:20200906121610j:plain

 

池のほとりの茶室『深泉亭』に通されました。

200年前に建てられたそう。


『侘び錆び』を感じる空間なんですが、

不思議と緊張させない雰囲気がありました。

 

いただいたお料理

お膳でいただきます。

てっきり机で頂くと思っていたので

タイムスリップ感がありました。

 

f:id:chi-a-ko:20200906112027j:plain

鯛のお造り

明石産の雌、1.8~2.5キロのものを代々伝わる仕入先から

仕入れているそうです。

 

トマトの醤油も出てきてほのかにトマトが香り、

トマトの旨味とお刺身が合いました。

このトマト醤が高橋義弘氏の考案で『革新』と言われています。

f:id:chi-a-ko:20200906112353j:plain

お出汁の美味しさが染みます。

f:id:chi-a-ko:20200906112412j:plain

こちらが有名な瓢亭玉子。

瓢亭玉子は朝がゆ定食などでも食べられます。

そういえば、美味しんぼに朝がゆ登場してますね。

 

卵の仕入れにもこだわりがあり、『初卵』を使用しているそうです。

絶妙なとろとろ加減と濃厚な黄身が美味しかった!

右側は鱧の玉子を固めたものでこちらも印象に残っています。

f:id:chi-a-ko:20200906112631j:plain

鮎は頭から食べられます。

f:id:chi-a-ko:20200906112700j:plain

どじょうの卵とじです。臭みもなく美味しかった。

f:id:chi-a-ko:20200906112740j:plain

枝豆のご飯。早米(新米)のご飯が美味しくて

お代わりしました。

 

f:id:chi-a-ko:20200906112936j:plain

最後に果物が出て、

こちらの和菓子とお抹茶をいただきました。

女将さんのにこやかで柔らかな接客にも癒されました。

 

まとめ

 

窓の外の緑、鳥のさえずり、水のせせらぎが聞こえてくる中

お料理をいただく優雅な時間でした。

 

何故か祖父のことを思い出したり、同行者の生い立ちの

話になったり、普段しないような話が出来ました。

 

戦国武将にとって、茶室は、

武士も刀を入り口の前に置き身分関係なく、

精神を整える、いわば"究極の癒しの空間”でした。

 

いただいたのは茶ではなくお料理でしたが

意識はしなくても、自分のルーツに立ち返り

深い話が出来たのはそんな空間のおかげかもしれません。

 

それに加えて

普段お目にかかれない美術品クラスの魯山人や永楽の器に、

上質な素材を殺さないお料理。

しつらえも、素材も派手さはないのだけれど、

無形文化遺産『和食』のすばらしさと歴史を感じ

日本人として誇らしい気持ちになりました。

 

お昼の懐石は23000円~

正座が辛い方のために椅子の用意もあるそうです。

 

瓢亭 本店

075-771-4116

京都市左京区南禅寺草川町35

 

 庶民には贅沢すぎるのでたまにしか伺えませんが

また再訪したいお店の一つになりました。

最後までお読み頂きありがとうございました。